ラッセル・ウィルソンがチームに対して「来季はプロテクションを固めて欲しい」と言ってから、マスコミではウィルソンとシーホークスとの意見の違いからウィルソンがトレードされるのでは?という話が大きくなってきています。私は今季のトレードは98%ないと思っていますが、現在までの話を以下にまとめてみたいと思います。

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この話の伏線は、1月末のテキサンズQBデショーン・ワトソンのトレード志願にあります。ワトソンはこれまでテキサンズ一筋、去年には2025年までの大型契約を締結しましたが、チームはWRホプキンズをカージナルスへトレードするなど、ワトソンが働くには不利な環境へと変えて行っていました。そして今季の結果もありトレード志願へとつながったわけです。

次に1/30、ラムズQBゴフがライオンズへトレードされ、ラムズにはQBスタッフォードが来ました。スタッフォードはウィルソンと同年生まれですし、大型トレード(ブロックバスター)への機運が盛り上がってきていると捉えられました。NFL公式でもウィルソンのトレードはあるのか?という話が出るぐらいでした(ありえない、と書かれていますが)。

そして2/7、バッカニアーズがスーパーボウルで勝利しました。QBブレイディが加入したバッカニアーズは、強力なQBプロテクション(PFF評価でNFL5位)でブレイディにのびのびと投げさせていた印象でした。ウィルソンもこれを見ていたのでしょう。また、TEグロンコウスキーをはじめとしてペイトリオッツから移籍してきた強力な選手が活躍したことにも刺激を受けたに違いありません。

そんな状況の中で2/9、ウィルソン自身からこの発言が飛び出します。

上に貼ったNFL日本版の記事にまとめられていますが、ウィルソンはあくまでシーホークスでプレイしたいと考えていて、ただ、プロテクションは強化して欲しい、チーム編成にもっと発言力を持ちたい、と言っているに過ぎません。ウィルソンは非常に厳格な性格なので軽々しくチームのことは言わないと思いますが、ダン・パトリックの話し方もすごくうまいですね。話を引き出されたような印象があります。ただこの自身の発言を契機に、マスコミは上に書いたデショーン・ワトソンの話の再現になるのではないかと、ウィルソンはチームに不満がありトレード志願も、と書き立てています。ウィルソンはこれまでこういう話をほとんどして来なかったということもあるでしょう。

さらに、2/25には代理人マーク・ロジャースが、ウィルソンはトレードは要求しておらずあくまでシーホークスでプレイしたいと思っているが、万一トレードされるならカウボーイズ、ベアーズ、レイダース、セインツだ、と語ったようです。

シーホークスには多くのチームからトレードの問い合わせがあるが、シーホークスは拒絶しているとのこと。

これが今日までの流れです。

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現実的にウィルソンのトレードはあるのか。まず、契約にトレード拒否条項があるので、ウィルソンが承諾しないとトレードはありえません。

サラリーキャップ的にはどうか。2021/6/1までにトレードするかどうかで状況は変わり、

◆2021/6/1以前
・2021年デッドキャップ $39M 

2021年キャップセービング$-7M

◆2021/6/1以降 
・2021年デッドキャップ $13M 

2021年キャップセービング$19M
・2022年デッドキャップ$26M


※デッドキャップはその年に使えなくなる年俸配分(ウィルソンの契約時の契約金が契約年数で比例配分され、トレード時にはそれをまとめて償却することが必要です)

※キャップセービングはトレードすると使えるようになる年俸配分(マイナスということは年俸配分がそれだけ使えなくなるということです)

※キャップセービングの説明が違っていたので修正しました(2/28)

と、どちらにしてもシーホークスはキャップスペース的に非常に苦しくなります。万一ウィルソンを手放すなら代わりのQBを探さないといけないわけで、2021年、2022年のドラフト1巡がないシーホークスは、まさにウィルソンのようにドラフト下位から選手を発掘するか、トレード相手としてQBを獲得するか(ただしその年俸がキャップに加算されますが)、または安いFA選手と契約するしかなくなります。

決定的にシーホークスとウィルソンが断絶しない限りは、そんなことは起こり得ないでしょう。現状ウィルソンはあくまでシーホークスのために様々な提言をしていると思うので、私は心配していません。

シーホークスは近年ほぼ毎年プレイオフに進出するとはいえ、2015年以降カンファレンスチャンピオンシップへ進出しておらず成績は停滞気味です。このウィルソンの発言でこれまでのチームの考え方が変わり、より強く、スーパーボウルに再び出場できるようなチーム構成になるのであれば、私はウィルソンの行動を支持します。

ボールはHCキャロル・GMシュナイダー側に預けられた格好でしょう。キャロルやシュナイダーの発言が待たれます。そしてまずは、4/29から行われるドラフトの上位で誰を指名するかでしょう。